西表島のターザン、恵勇オジィに会いたくて
沖縄の県産書籍の紹介です。
西表島の海と山な囲まれた人里離れたビーチで、ほぼ自給自足で、たった一人で暮らしていた人がいました。
この人の名は「砂川恵勇」さんです。
そして、今回紹介する本は
「西表島のターザン」
です
作家である水田耕平さんが、恵勇オジィに逢いにいったお話を一冊の本にしたものです。
なぜ?「このような暮らしをしていたのか?」
と言う疑問が私の胸に強くよぎりました
でも!!
その質問を恵勇オジィにするには、自分がなぜ
今現在の生活もしているのか?(選択しているのか?)の答えを持っていなければなりません。
たぶん、明確な答えを出せないのです!
逆に恵勇オジィから
なぜ?
「君たちは、何でそんな生活をしているの?」
と問いかけられて、僕達は答えられるでしょうか?
実の恵勇オジィも、実の母親から
「何でこんなところにいるの?帰ってきなさい!!と言われたそうです」
多くの人は、恵勇オジィと同じで
「流れ、流れて、今は、ここの生活に収まっている」
決断を迫らる時々で、何らかの明確な目標を立てながら生きていく人、選択をせずに無意識にその場の流れにあわして、それぞれの人生という時間を「その場の流れで」選択していく人
世の中は、そんな人が渾然一体となっ暮らしている
暮らしたくなくても
一緒に暮らしいる
恵勇オジィも若い時は、東京や横浜に来て働いていたことがあったようです。
オジィの西表の、たった一人きりの生活は、オジィが選択したはず。
西表島での自給自足生活をオジィは
「自由自在さー」
と言っていたけれども、それは流れ流れて
この地で、苦労して苦労して
「自由自在」になったのですよね?
そんな時にテレビで見たオジィに共感して、実際に会いに行き、ひょんなことから一緒に生活をした、文明社会に「浸り」「溺れ」疲れ果てた作家が体験した、恵勇オジィの「生き生き」した姿が克明に描かれている作品です。
この作家が恵勇オジィと初めて出会い、そして別れ、その後に訪れる本当の別れを素直な文体で描いている良書であると思います。
作家を通してみた恵勇オジィの生活が、私の心の奥底に「人の生き方とは何か?どうあるべきか?」問いかけくる良書でありました。
読んだあとも、その答えは見つからない
いや、答えなど初めから無いのかもしてない・・・
PS:
映像のなかで恵勇オジィが、幻の花であるセイシカの姿を愛おしく眺めている、その優しくとも哀しそうな表情が忘れられない。